夏が来る、きっと夏は来る。
来てしまった、夏が。
中年草サッカープレイヤーにとって、天敵とも言える季節がやってきた。厳しい暑さに減退するサッカーへの意欲。いわんや、レッズランドへ向かう埼京線の車内は浴衣女子だらけ。戸田で、上尾で、朝霞で、今日は花火大会である。花火のトライアングル。空は赤く染まり、じきに漆黒の闇に包まれんとするここで、我々は汗にまみれ、中年であるがゆえに長年己が肉体で培養した雑菌は花開き、異臭を撒き散らす羽目となる。できることならば、浴衣女子とともに「たまやー」と花火を見たい。しかし、我々ちゃ中年男とともに球を追うのである。
さて、試合。
三方からドカンドカンと花火の破裂音が響く中、我々もドカンドカンとシュートを外しまくる。相手の外国人プレイヤーの不在により、中年太りなのに貧相な体格であっても相手と互することができたおかげで決定機は多い。コーナーキックにて岩崎と瀧のコンビネーションによって演出した好機を逃すと、少し嫌な予感。それでも左サイドから突破した瀧のクロスを、フリーとなった祝いがヘッドで決めて先制すれば、少し安堵。
2本目で同点に追いつかれるものの、3本目の55分に突き放す。中盤菅田のスルーパスに反応したのは、さきにオフサイド判定による幻ゴールを決めても、味方は誰もアピールしない四面楚歌の勝山。今度はギリギリオンサイドでゴール。
4本目は決めきれず、2-1と辛勝。
花火もいいが、サッカーボールを追うのも良い。浴衣美女もよいが、我々サポーター美女は今日どこにもいない。