シトシト梅雨空である。
今日の会場はレッズランドでも埼玉スタジアムのサブグラウンドでもなく、浦和駒場スタジアムのサブグラウンド、レッズハートフルフィールド駒場である。隣のメインスタジアムは黎明期より浦和レッズの聖地であり、ラモスとビスマルクのヘディングパス交換に浦和のディフェンスダーが挟まれて右往左往していたシーンの現場は、26年前のここである。
貸切バスも数台とまり、数千人もの人がグラウンドの周りを囲っていた。奥ゆかしすぎて地下に潜り込んだままだった全国5000万人のバルバサポーターが、ついに現れたのか。メインスタジアムで中学生の大規模な陸上大会がちょうど終わったところなのであった。
人をかき分けてメインスタジアム内の事務所に行くと、女性の管理スタッフが吠えていた。多忙を極めていた中に、我々のクレームがとどめを刺したのだろうか。なにせ、陸上大会のスタッフが我々の使うサブグラウンドの鍵を勝手にかけてしまったのだから。迷惑を被った側で実に良かったと深く安堵するのである。くわばらくわばら。
今日の対戦相手大和田セレソンは、老練の中に、主要メンバーの息子たち(主に大学生ぽい)という飛び切りの若さの融合したチームである。だいたいダイナモ姿を除いて、アラフォーからアラフィフの我々は年齢ではなく助っ人の力量がチーム力を左右するが、大和田セレソンは、ベテランと若手の比重によって、好敵手にもなり、我らとのあまりの格差により容易に伸びやすい天狗の鼻をへし折る相手にもなりうる。今日はベテランが多く、そうなると老練な広い視野に軽快なのである。
一方の我々であるが、この日のポジションの偏りはあまりに顕著であった。であるがゆえに、いつもの4-4-2ではなく、3-5-2とする。中盤を一人多くすることで、いつも以上に厚みのある攻撃を展開し、一方で急増のフォーメーションでは、ディフェンス時には5-3-2になるわけでもないので、ダブルボランチが突破されれば、3枚で守ることとなる。
1本目は3-5-2が機能する。ほぼハーフコートゲームとなり、シュートを浴びせ続ける。しかし、岩井の角度のないシュートのこぼれ玉を森(茂)が滑り込んだゴールだけの最低得点となったことが、試合を難しくした。2本目に早くもシステムがほころび逆転を許す。
しかし、これ以上の決壊は3バックが防ぐ。尾久の読み、釜崎のリーダーシップ、内海のスピード、そして内海が3本目だけFWでプレーしたため、代わりにバックに入った王のテクニックによるものである。そして、再びバルバペースとなる。岩井がボールカットから右サイドへ流れクロスを入れると、ゴールキーパーが弾いてポストに。そのこぼれ玉を瀧が詰めて同点。その3分後には、左サイドにいた森(茂)が中央の菅田に出すと、菅田は右足一戦。濡れたピッチで球足の早くなったミドルシュートが決まる。
4本目は、さらに久しぶりの瀧の単騎突破。ゴールキーパーの手を跳ね飛ばしたシュートで2点差。その後1失点するも4-3と勝利で終わる。無理やり4-4-2とするのではなく、オプションとして、3-5-2という選択もありなのではと、可能性の拓けた試合となった。