まずグラウンドを間違えた。人工芝グラウンドだと思っていたのに、隣の天然芝グラウンドであった。隣のグラウンドとはいえ、天然芝だと心の準備を要する。枯れ芝がソックスに付着し、それを家に持ち込むことによって我々のストイックすぎる選手生活を支える奥様方の逆鱗に触れるのだ。
迎えるであろう悲劇に恐れおののくと、フォーメーションの選択も結果誤る。いつも通りの4-4-2は相手チームの3-5-2の前に中盤で常に数的優位を作られ、一方的な防戦で2失点を喫す。
だが、この日の我々には柔軟さがあった。相手に合わせることの得意な我々なのだ。4-3-2-1で、1トップをキープできる森(茂)とすることで、中盤の優位を取り戻し、ようやく我々にとってのキックオフ。菅田が決めて反撃の狼煙を上げれば、相手ゴールのミスをついた王が2ゴール。
しかし、我々が点を取るたびに点を取られるものだから、終盤の相手チーム7枚替えについに尽きる。